June 2009のアーカイブ
キェシロフスキ・プリズム
渋谷のユーロスペースでキェシロフスキの短編を二本観た。「地下道」と「初恋」。
ユーロスペースは好きな映画館だ。ラブホテル街の一角に佇む、静かで文化的な空間。良質だけど誰の目にもとまらないような映画、観た後に難しい顔になる映画をいつも上映している。
「地下道」は別居中の夫婦(教師の夫と、地下商店街の雑貨屋で改装作業をする妻)が改装中の雑貨屋で会う話。暗い地下道の温度、臭い、湿気なんかが強烈に伝わってくる映像だった。みっともなさ、惨めさ。地上では汚いもののように扱われる感情だけど、これらはある種の美しさを持っている。その美しさは、地下道にいる人にしか目にすることが出来ない。
「初恋」は十七才の少女が妊娠して出産するまでのドキュメンタリー作品。少女は十七才とは思えないほどの強い自我を持っている。はったりかもしれないし、本当に成熟しているのかもしれない。その判断がつかなかった。いずれにしても、ろくでもない大人が子供を作るよりも、ずっと健全な気がした。
By poturi | 09年06月29日(月) | コメント(0) | トラックバック(0)囲碁
囲碁を覚えることにした。これまで一度も碁を打ったことはないし、そもそもルールを知らない。完全にゼロからのスタート。
とりあえず日本棋院の楽しい囲碁入門教室を読んで、簡単な問題を解いていくうちになんとか基本的なルールは理解できた。陣取りゲームと石取りゲームが組み合わさったものらしい。それにしても、ゲームを始めるまでに覚えることが多い。
ルールを覚えたら、なにはともあれ実践。子供向けの囲碁九路盤ゲームに挑戦して、三度連続で負けた。完敗。まがりなりにも理系人が子供向けゲームに負けるとは屈辱だ。とりあえず、これに勝つまでは続けることにしよう。
By poturi | 09年06月25日(木) | コメント(0) | トラックバック(0)流行色
洋服屋で好みのベルトを見つけた。無駄な装飾がなく、幅は細めで、かといって細すぎるわけでもない。しっかりとした革で作られていて、ベルト自身がベルトであることに誇りを持っている。質素の中にも洒脱さを忘れない。そんなベルト。二色のうち、どちらの色を選ぶかで悩んでいた。茶色か紫紺か。
「流行色はパープルとピンクです」
気づかぬ間に背後から忍び寄っていた若い店員は、唐突にそう言った。
流行色。流行色という言葉を耳にするのは何年ぶりだろう。十年ぶりくらいか。流行色は人目に触れない場所に長い間影を潜めて、次に現れる機会を眈々と狙っていたらしい。いや、多くの人にとって流行色はごく当たり前の言葉で、私だけがおいてけぼりだったと考えるほうが自然だ。
いずれにしてもパープルとピンクの組み合わせは新種の毒蛙みたいだ。毒蛙を想像しながらぼんやりとしていると、店員はこう付け加えた。
「流行色はほんの少し使うといいんです。さりげなく」
言下に私は答えた。
「そしたら流行色のパープルのほうをください」
生まれて初めての流行色。ほんとうは流行色云々は関係なく、ジーンズとの色の調和を考えてパープル(というよりも紫紺)に決めたのだけど、パープルと言うと店員も喜んでくれた。誰かが喜ぶことはいいことだと思う。
普段はベルトが見えるような服装をすることはないから、実はどんなベルトだってかまわない。だけど、ベルトがベルトとして美しいことは大切だと思う。見える見えないに関わらず、すべての釘はひとつひとつ正しく打ち込む必要がある。
By poturi | 09年06月18日(木) | コメント(0) | トラックバック(0)空飛ぶスパゲッティモンスター教
FSM教からTシャツが届いた。
創造主であるスパモン様と、送料込みで$30.99のTシャツに感謝します。
ラーメン。

Blowin' In The Wind
近頃ディランの歌をよく聴いている。
Blowin' In The Windの歌詞を読んでいてふと思った。「The answer is blowin' in the wind」ってどういう意味なのだろう。あえて直訳すると「答えは風の中に吹いている」。俺に聞かずに風にでも聞いてくれという意味なのか、風は流れる時間(時代)のメタファなのか。素朴なだけにいろいろと解釈できるフレーズだと思う。
答えは風向き次第で変わる。そんな無常観が含まれているような気もする。
どれだけの道を歩けば
人は人として認められるの?
どれだけの海を越えれば
白鳩は砂浜で眠りにつけるの?
どれだけの砲弾が飛び交えば
すべての砲弾は尽きるの?
答えは風の中にある
答えは風の中にあるのさ
どれだけの年月が過ぎれば
聳える山は海に流されるの?
どれだけの年月が過ぎれば
人々は自由になることを許されるの?
どれだけ人は見たくないものから
目を反らすことができるの?
答えは風の中にある
答えは風の中にあるのさ
どれだけ見上げれば
人は空を仰げるの?
どれだけの耳があれば
人々の叫びが耳に届くの?
どれだけの死が積み上がれば
人はもうたくさんだと気がつくの?
答えは風の中にある
答えは風の中にあるのさ
口笛
口笛を吹きながら夜道を歩いていた。
ディランの「Blowin' In The Wind」。
公園の横を通りかかったとき、
真っ暗な公園のベンチから突然拍手が聞こえた。
誰もいないものだと思っていたから、
驚いてしまい口笛を吹くのをやめた。
なんだか恥ずかしくなってそそくさと公園を通り過ぎたのだけど、
後ろから「How many roads must a man walk down...」
と口ずさむ声が聞こえてきた。
こうしてディランは繋がっていく。
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